あわのわコミュニティカフェ&マーケット Vol.7

awanowa2009-11-04

田んぼも一段落した11月3日火曜日文化の日に、あわのわコミュニティカフェ&マーケット Vol.7が行われた。

今回は時期的に、あわに移住してきた半農半X達の収穫祭だ。

前回はドシャ降りだったので、前日の夜シトシト雨が降り始めた時はヒヤヒヤしたが、当日は気持ちの良い秋晴れとなった。

オープニングはYaeちゃんのトークで始まった。画家であり、ミュージシャンでもある半農半アーティストの真砂秀明さんとのトークは、とても興味深かった。今回のライブ演奏をしてくれる曲は、2年の歳月をかけてつくられたニューアルバムからだ。

「いのちのもり」というタイトルのそのアルバム制作は丁度2年前、若狭湾のお寺で真砂さんとYaeちゃんが奉納ライブを行った時からはじまったのだと言う。

そして、あわのわの前日にやっとそのアルバムが完成し出来たてホヤホヤの新曲を、再びこのあわのわでYaeちゃんとセッションすることになった。しかも、その奉納ライブを行ったお寺は、アテルイという先住民のリーダーを祀ったお寺だという。

だからこの「いのちのもり」というアルバムは、アテルイへの鎮魂歌なのだと…。

この南房総にもアクルオウという先住民のリーダーがいた。そして、アテルイと同じようにアクルオウも滅ぼされ、人と地球が共に暮らしていた文明が終り、人と自然がバラバラに分断された文明が始まったのだ。

しかし、陽が落ちてから満月の下で演奏する真砂さんのインディアンフルートの音色は何かシャーマニックな儀式のように、神秘的に嶺岡山系へ響きわたった。

そしてYaeちゃんの大地の底からわき上がるような力強いボイスが、Kazさんと遠藤さんのギターと溶け合った瞬間、ボクはその神秘的なバイブレーションがアテルイとアクルオウの魂を浄化させたような気がした。

今回のあわのわは、実は森がテーマになっていた。意図したわけではないが、いつのまにか、そうなっていたのだ。

真魚長明さんのトークアニミズム・オフライン「森と、どんぐりと風車」も房総半島に今、林立しようとしている風力発電をストップさせ、再び人と森がつながった世界へいざなうものであった。風力発電自体は悪い物ではないのだが、日本にはまだヨーロッパのような規制が無く、低調波振動による健康被害が起きてしまうほど民家の近くに設置されてしまい、すでに四国や愛知で問題になっているのだ。


そしてボクの「虹の村にて」のコーナーでは来年から房総の森や里山で新しいプロジェクトを始めようとしている人達に集まってもらった。

生意気のデイビットは売れっ子のグラフィックデザイナーでありアーティストだが、東京というバビロンで資本主義やってゴミばっかりつくって地球を破壊するのはもうゴメンだと言って最近は、パーマカルチャーと自然農とアートをMIXさせたフードフォレストアートを仲間達と創っている。

そして、今住んでいる鎌倉じゃスケールが小さいので来年から鴨川に活動の拠点を移し、広大な森をフードフォレストアートして、そしてその森を管理する財団をつくって、千年の森づくりというスケールの大きい生命のアートをやりたいという。

仲間のフィルは、オーストラリアでパーマカルチャーを学び、大工の腕を活かし日本の伝統文化とパーマカルチャーのデザインを融合させた古民家再生を企画中だ

お次は種まき大作戦のサワダケイコちゃんだ。

彼女は、ボクとボクの住む釜沼集落の休耕地と里山を、都市住民(種まき大作戦)と開墾し、そこを再生しながら釜沼のおじいちゃんおばあちゃん達から暮らしの知恵を学び、そこから地域の資源や知恵を活かした仕事をつくり、地域住民と新住民とがつながった里山エコビレッジをつくっていくプロジェクトを来年から始める予定だ。

そして地元でも新しい動きが始まっている。

里山里海研究会で「あわのわ協同組合」を立ち上げようという声が上がった。

自分達が必要なモノを、自分達で生産し、自分達で消費する。地域内自給を高める組合だ。みんな、自給用のお米や野菜はつくっているので、塩、大豆、小麦等を連帯して生産したら良いのではないかという意見が出ているそうだ。

食の基本的な部分を助け合い、まずはコミュニティの自給を高め、そしてそれがコミュニティビジネスに発展していけば自分達の仕事を生み出すことにつながっていくだろう。

最後に登場してもらったのは、木更津の農家小川さんだ。彼はボクの姉のとしちゃんと雑穀の村プロジェクトを来年から始めるという。姉は木更津で健康酒屋ベアーズを経営している。姉の店は一歩店内に入ると、BGMにボサノバが流れ九州の造り酒屋と連携したはかり売りオーガニック焼酎のかめがズラリと並び、お米や雑穀のはかり売りコーナーもあり、国産の有機食品や自然食品が並ぶ、ちょっと変わった酒屋だ。その姉の住む真里谷という地域に、安房マネー会員の小川さんもいて、今年から一緒に自然農で田んぼを一緒にやっている。田んぼをやりながら話がはずみ休耕地を借りてたかきびを栽培し、それを安房マネー会員でありマクロビオティック料理家の中島デコさんに監修してもらい加工食品をつくるプロジェクトを始めることになったのだ。なんと農水省補助金も取れ、いよいよ来年から本格的にスタートするそうだ。安房マネーの仲間達で、生産、加工、販売までを一貫して行い、地域の休耕地も再生し、お客さんも健康になるという、農村型ソーシャルビジネスだ。これも安房マネーのネットワークの底力なのだろう。

今回のあわのわVOL.7は、ボクにとってシンボリックなイベントだった。

この列島の先住民のリーダー達の魂が、芸術によって癒され、彼らのスピリットが再び地上へあらわれたような気がする。

そのスピリットが、みんなのスピリットとつながり来年から房総の森や里山ではじまるステキなプロジェクトとなって、この傷ついた星を癒していくように思う。

この房総ではじまっている里山文化創造のうねりは、きっと地球の望みなのだ。

そう、地球の望みは、僕らの望みでもある・・・。

2010年は、新しいうずが起こりそうな予感がする。